月別アーカイブ: 2017年2月

内装で食ってるからこそ…

 

 

こんにちは、小相澤です。

あなたがもし、自分の部屋に

何らかの理由で見ず知らずの人を入れないといけなくなったとき、

あまり歓迎ってしませんよね。

 

そこにはプライベートなものや、他人には見せたくないものが

たくさんあるからっていうのもあるし、

よその人が入ることによって、

独自の空気がかき乱されるという様な嫌な気持ちになるからかもしれません。

 

私もほぼ毎日いろんなお宅に上がらせて頂いて

「あれは良くない」

「ここは危ない」

「これはもっとこうした方が良い」

とか勝手なことを言ってます。(笑)

それはもちろん意地悪な気持ちで言ってるのではなく、

普段気が付かないであろうところに、「こうした方がもっと部屋が使いやすく

なりますよ」という親切心で言わせてもらってますし、お客様の生活が少しでも

楽に、そして効率的になる様に考えての発言です。

「仕事だから」という以前の気持ちもあります。

 

内装工事するにあたって、我々工事屋はどの程度お客様の事を理解できてるか?

わかったようなつもりになっていないか?

時々立ち止まって考える時間が必要だと思います。

工事をする際、部屋の家具を移動したり、壁の装飾品を外したりします。

だけど、それはお客様の大事な資産であったり、

思い出の詰まったものであったりするわけです。

 

たとえば、壁に掛けられた写真とか無造作に軍手をはめた手で外しがち

なんですが…

それって傍から見たら嫌なものですよね。

新婚当時の旅行先とか、お子さんの小さい頃とか

亡くなってしまったご両親の遺影とか…

私はなるべくこの辺りは、お客様自身で外せるものはお願いしてしまいますが、

ご高齢で中々動く事が出来ない方もおりますので、

その時は埃で汚れていても、軍手をはずして素手で扱うようにしてます。

私たち業者からしたら「物」ではあるのだけれど、

お客様からしたら「かけがえのない大事な思い出」なんです。

 

もちろんきれいに磨いてから戻すようにしてますよ。

 

私はお客様と直接お話しをたくさんさせて頂いて信頼関係を築いていますが、

(今じゃ作業よりそちらの方が楽しい…)

 

それじゃ、外注の職人はどうでしょうといったら、

お客様の顔も知らないし、人となりもわからないわけです。

そうなると、職人からすれば「〇〇様のお部屋」では無く

単なる「現場」になってしまうのです。

 

これの差って大きいなって思います。

 

だから工事をさせて頂く前に、職人たちには差し障りの無い範囲で

どのようなお客様なのか、希望はどうなのか、これだけはしてほしくない事

とか細かく説明することにしています、一般的な注意事項とは別で。

とにかく工事する皆には「現場」としてとらえてほしくないから、

雑談ぽく自然に伝えるようにしています。

そしたら、時々お客様が顔を出してくれるのですが、

「ここは〇〇で〇〇だから、こうしておきましたよ」

「〇〇で大変ですね、あとで困らないように〇〇しておきましたよ」

なんて、職人から自然と思いやりの言葉がでてきます。

そしたらもう「現場」じゃないと思いませんか?

内装に携わるものはこれが理想、というか当たり前(?)だと思ってます。

 

よく、「ウチは外装がメインだけど、内装もやるよ」という業者が

おりますが、中と外ははっきりと違うことがわかっているか?

疑問ではあります…

 

少し言葉は良くないかもしれませんが、

「内装専門で食ってる」からこそ、プライドは持ちたい。

そこは大事にしていきたい部分です。

 

ありがとうございました。

 

絶妙!タワーマンション&和風リフォーム

 

 

先日あるリフォームが完了しました。

いろんな意味でやりがいのあるリフォームでしたよ。

いや、他のお客様がやりがい無いとかじゃなくて、

自分なりに得るものがあったということ。

規模としてはそれほど大きくないし、

主にクロスの貼替なので

大きく壊して「ほら!、こんなにきれいになったー!」

っていう劇的な工事を期待されるなら

それはないですが…

 

でも、

「あ、なんかいいなー」言ってもらえるような変わり様です。

 

じゃ、まずビフォーです。

白い天井、壁です。

(景色はスバらしい…)

白でーす。

廊下、ま、きれいですが…

洗面所

同じく真っ白。

トイレも

ん?

勝手なイメージですが

タワーマンション=高級

なイメージなんですけど‥

トイレ器具が何だかチープだな…

それより

見た通り全て同じ真っ白なクロスで仕上がってます!

 

「いや、白でいいじゃん!」ってあなた思いますか?

気にしない人、そもそも白が好きっていう人だったら

それで結構なんですが…

私が思うに

なんか、もったいないな~って思います。

だってここに家具が入ったら、壁は完全に脇役です。

壁紙を扱う者としては

壁が脇役なのは

やっぱりやだな~って。(笑)

 

今回、このお部屋を中古で購入されたお客様よりご依頼をうけまして、

全体としてはきれいなんだけど所々汚れや落書きの跡があるので

同じような壁紙で貼り替えてほしいとの事。

わかりました…

ん~、でも…どうせなら…

 

「どうせなら好きな柄で貼り替えましょうよ!」

と、ご提案しました

「えっ?」

「そりゃどうせなら色んな色を使ってほしいけど…

選んだところでやってくれないんじゃ…」

「いや、大丈夫ですよ!むしろ選んでください!」

と私。

持って来た見本帳で柄の選び方、見方など細かく説明しました。

「わかりました」と、お客様。

後日改めてお伺いするとの約束でその日は戻りました。

数日後

「壁紙のショールーム回ったら、イメージ通りのクロスが見つかりました、

サンプルも沢山もらってきているので一緒に見てください」

との事!

え~!! す、すごい行動力!

それもさることながら、こだわりもすごいです!

 

結局クロス選びについてはほとんどお手伝いできず、

ほんの少しだけアドバイスさせて頂きました。

 

それではアフターです。ご覧ください。

ここは一見あまり変わらないのですが、細かな柄の入った、

少し光る感じのクロスで横から光が差すと何とも言えない

上品できれいな模様が浮き上がります。

画像じゃ中々伝わりませんね。

ちなみに使用材は

天井 リリカラ LV-6615

壁 トミタ TC-60501

ここの一面 トミタ TC-60901です。

そして廊下から玄関です。

天井、壁のメイン材リビングと変わらず。

竹柄のクロスはトミタTH-3751です。

ただ、施工が難しい…それだけに仕上がりは素敵です。

収納の扉とマッチしていますね。

 

そして玄関です。

エコカラットとミラーの組み合わせです。

玄関扉はサンゲツのリアテックTC-8251です。

エコカラットはラフソーン ライトブラウン(RGS3)。

ミラーは特別にカットしてもらいました。

洗面所です。天井リリカラLW-742、壁メインサンゲツSG-5470

貼り分け部分ベース サンゲツFE-4684

花柄ボーダー リリカラLL-8273

床はサンゲツの長尺シートPM-1429で貼り替えました。

洗面台の両側には アイカ工業/タフウォールS SWN 2531ZM
 を貼りました。

そして、一番変わったな~と思うのがトイレです。

和紙を重ねた、施工が最も難しかったクロスになります。

こちらがトミタTH-3745

正面壁 リリカラLL-8753

床が洗面と同じくサンゲツPM-1429です。

便器も交換しました。

TOTOのネオレストRH2Wパステルアイボリーです。

照明、壁紙と相まって落ち着いた感じだと思いませんか?

他に北側の部屋は寒く、結露しやすいので

二重窓、YKKプラマードUを取り付け、

さらにカーテンレールを外して

ニチベイのバーチカルブラインド プレトホワイトゴールド色を取り付けました。

他にも照明のLED化とかいろいろと替えました。

決して派手なリフォームではないけれど

品よくまとまり、「洋」が主のマンションに

和」のテイストを絶妙に合わせたコーディネートは

私も気づかなかった点がたくさんあり、

頭の中に新たな引出しを作ることが出来ました。

大げさでなく

ここ数年で一番インパクトのあったリフォームになりました。

 

オーナー様、勉強させて頂き、本当に有難うございました。